実写版「サンダーバード」#03 新1号の進化

1号はおそらくオリジナル版の1号のイメージを最も多く引き継いでいるだろう。

1号を表現する記号がほぼ同じだからだ。
つまり文字で描写したときに同じになる部分が多い。

全体のシルエットも近い。

もちろんよく見ていくと細部は違うし、機能的にも進化している。
何を引き継いで何を新しくしたのか、映像から分析していく。

まるで無塗装の戦闘機のよう

映画「サンダーバード」(2004)より

映画冒頭の救助シーンでは夜間悪天候の中で、機体の細部はよく見えなかった。

この画像はその後12分あたりでトレーシー島に向かう1号。
見事な青空をバックに、劇中初めてゆっくり全貌を見せるシーン。

オリジナルよりさらに銀色に輝くボディが精悍で、F-104あたりの戦闘機を思わせる。

上で記号と書いたが、これは誰が見ても1号だ。
よく見ると細部は違うのでこれから分析していくが、素早く飛び回る劇中ではオリジナルと区別がつかないほど。それだけシルエットを引き継いでいるということだ。

視界を広げたキャノピー

映画「サンダーバード」(2004)より

オリジナル版でも操縦席左右に窓はあったが、飛行中は閉じられていることが多かった。

プロップでは窓枠すら見あたらないので、まるで窓が無いように感じられたが、劇中で横が開いて外を確認するシーンがいくつかあった。

それがこのように、横だけでなく足元も大きな窓が視界を確保している。
格納庫でも開いているのでこれが通常のようだ。

前方はモニターで確認するのはオリジナルと変わらない。

ヘリコプターでもそうだが、ホバリングや垂直離着陸をする機体には足元確認は必須である。現代のF-35Bでは、ヘルメットのバイザーに投影された映像で足元を透かして見ることができる。

劇場版1号にもそんなシステムが搭載されていてもおかしくないが、映像的には透明のキャノピーの方がわかりやすい。

そして何より、飛行中に隣に並んでパイロットがお互いに顔を見合わせることができる。
演出効果としてこれは大きい。

劇中では、FAB1に乗ってトレーシー島に向かうアランが、1号のスコットにサムズアップを送るシーンがある。

着陸脚の変化

映画「サンダーバード」(2004)より

画像を見てもらえばわかるが、一般的な飛行機のように胴体に脚がついている。
前輪と後輪2つだ。

オリジナルは尾輪式の姿勢にならったのだろうが、広げた主翼から長い脚が伸びた姿は、優雅ではあるものの不安定で折れそうな印象も与える。

実写版ではアランは荒い着陸をして、勢い余って地上を数メートル転がってブレーキをかけて止まっている。オリジナルの細長い脚では折れていたかもしれない。

VTOL性能の向上

オリジナルでは垂直離着陸(VTOL)は、機体中央のロケットモーターで行っていた。

実写版では、それに加えて水平尾翼にあたる部分のターボジェットがオールフライングで丸ごと下を向き、姿勢制御しながら離着陸する。より安定したコントロールができるようになった。

また、オリジナルで上下についていたラムジェットエンジンは中央部の筒状の構造内に縦に3基並ぶ形でまとめられている。

これで機体の地上高を低くすることができて、胴体から車輪を出すことが可能になった。

オリジナルデザインを破綻させずに、機能をより現実的なものに向上させている。

映画「サンダーバード」(2004)より

水平尾翼部のジェットは下を向くだけではない。いわゆる可変ベクターノズルにあたる機構で、これを使ってスコットが2号のまわりで派手にバレルロールを決めるシーンがある。冒頭12分あたりのシーンで、左右の噴射がそれぞれ上下逆方向に向いているのが分かる。

この画像にも写っているが、見た目の変化が少なかった1号に比べて2号は形状変化が大きかった。

なぜそうなったかを次回から分析していく。

→次回、新2号の変化とその理由

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