ドンドンドン! 男子トイレのドアをノックするゴードン。
「バージル、まだかよ!」
「……もう少し」
男子トイレを占領したまま、バージルが出てこない。
たまらずゴードンが、開いている女子トイレのドアに手をかける。
「ちょっとゴードン! そこは女子用!」ミンミンがにらみつける。
「今だけ! 緊急事態!」
「コンテナの方にもあるじゃないの」
「えー! あっち遠いし、今デッキアップしてるから、ゴンドラで降りて下から回らなきゃいけないし!」
「そんなの知らないわ」
「ヒェー、漏れる!」
ゴードンが駆け出す。
「機内を走らない!」
バージルがトイレから出てくる。
「あれ、ゴードンは?」
ゴードンは1階へ駆け降り、空中バイクを発進させる。
そのまま猛スピードで近くの森へ突っ込み、どうにか危機を脱する。
ところが帰還すると、ラウンジで腕を組んだジェフが待っている。
「ゴードン。国際救助隊の制服を着たまま空中バイクで森へ飛び込み、野外で用を足したそうだな」
「緊急避難だよ、父さん」
「国際救助隊の恥さらしだ!」
「漏らすよりいいだろ!」
「それからバージル。トイレで本を読むのは禁止だ」
「……はい、父さん」
「ええっ? 本読んでたのかよ!」
そして翌日。男子トイレのドアにこんな張り紙が。
「長時間の読書禁止 ミンミン」

【この話の舞台設定資料】


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