居住区の個人用ロッカーは、普段は施錠されていない。
空港に駐機しているときや、家族以外の者が出入りするときには、自動的にロックされる。しかし、ミンミンがジェフからマスターキーを預かっているので、実質的にプライバシーは存在しない。
子供部屋のキャビネットに鍵をかけていないのと同じである。

ゴードンのロッカーが半開きになり、隙間からタオルがはみ出していた。
それをミンミンが目ざとく見つける。
「ゴードン、このタオル、洗ってないんじゃないの?」
「いや、まだ四日目だから大丈夫」
「何言ってんの。洗いなさい!」
ミンミンはタオルをつかむと、洗濯機にポンと放り込んだ。
「バージルは?」
「はいはい。今朝使ったばかりだけどね」
バージルは素早く自分のタオルを取り出し、洗濯機に放り込む。
「えーと、ここは……」
「アランなら二週間前から上だろ。5号だよ」
「わかってるわよ、そんなこと」
ミンミンは少しだけ微笑みながら、アランのロッカーを開けた。
すると、中から丸めたタオルが数枚、床へ転がり落ちてきた。
「まあっ!」
ミンミンが顔を赤らめる。
「ということは、二週間以上熟成したタオルか…」
バージルがつぶやいた。
「やった、勝った!」
ゴードンがガッツポーズをする。
「そうじゃないでしょ!」
ミンミンが叫んだ。
しかし、なぜか今回は平手打ちは飛んでこなかった。


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