子供の頃、テレビでサンダーバードを見ていた私は、ひたすらメカの格好良さと毎回ハラハラドキドキの展開に夢中だった。
しかし今、改めて見返してみると、当時は気にも留めなかったことが次々と見えてくる。
劇中で描かれるのは、事故や災害の発生から救助完了までのドラマである。その前後、彼らはどんな生活を送り、どんな組織として活動していたのだろう。
私はサンダーバード2号の内部を自分なりに考え、模型として形にしている。その作業を続けるうちに、劇中では描かれなかった部分が気になって仕方がなくなった。
例えば、緊急出動ではバージルは滑り台(搭乗シュート)を使ってコクピットへ飛び込む。しかし、普段はどこから出入りしているのだろう。
現場へ向かう途中、コンテナ(ポッド)の中では救助装備の準備をしているはずだ。ならば飛行中でもコクピットとコンテナを自由に行き来できなければ不便ではないか。
現場では脚を伸ばしてデッキアップし、装備車両が出入りする。その間、本体は持ち上がったままだ。では操縦席のバージルはどうやって地上へ降りるのだろう。
考え始めると、今度はもっと生活に密着したことも気になってくる。
救助任務は日帰りとは限らない。たとえ日帰りでも、2号ほどの大型機ならトイレくらいはあるはずだ。
現場が何日にも及べば、食事はどうするのか。シャワーはあるのか。あの印象的なユニフォームは着替えられるのか。どこで眠るのか。長距離トラックのような仮眠スペースはあるのだろうか。
そして、もう一つ。
組織そのものにも疑問が生まれた。
国際救助隊は世界最高レベルの救助技術を持ちながら、実態はトレーシー一家による家族経営である。最先端技術の悪用を防ぐため秘密主義を貫いているが、この体制を何十年も維持し続けることは本当に可能なのだろうか。
もし本気で一人でも多くの命を救うことを目指すなら、孤軍奮闘ではなく、世界規模の組織へと発展していく必要があるのではないか。
彼らの勤務とは実際にはどのようなものなのか。引退した後はどう生きるのか。そして国際救助隊は未来へ何を受け継いでいくのか。
模型を作りながら考え続けているうちに、その答えが少しずつ私の中で形になってきた。
それが、国際救助隊の未来を描く Beyond IR という構想である。
このサイトでは、模型製作を通して見えてきた「劇中では語られなかった余白の世界」と、私なりに考えた国際救助隊の未来を、少しずつ形にしていきたいと思う。
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