1か月ぶりに5号から帰ってきたジョンを待っていたのは、すっかり様変わりした2号だった。
コクピットも居住区も新しくなっている。
本当ならブレインズか兄弟たちからレクチャーを受けたいところだが、あいにく全員が任務で忙しく動き回っていた。
仕方なくジョンは一人でデータベースを開き、今回の改修内容を調べ始めた。
「……なるほど。これはいいな」
プレインズが作成したマニュアルを読みながら、関連する過去の航空機の近代化改修についても検索していく。
やがて、一枚の写真に目が止まった。
B-52爆撃機のコクピット近代化改修の比較写真だった。

中央で目を引く、8基あるエンジンに対応したアナログ計器はそのままだが、左右にディスプレイが追加されている。中央下にはスロットルレバーが8基分、変わらずに残っている。
そこへゴードンがやってきた。
「兄さん。2号すごく使いやすくなったよね」
「ああ。ブレインズ、今回もいい仕事してるよ」
「……あれ?」
ゴードンが画面をのぞき込む。
「その写真、コクピットにエノキダケ生えてるの?」
「いや、これはB-52だ。初飛行からもう100年以上になる。改修を繰り返しながら長期間使われている機体だ」
「なるほど」
ゴードンは感心したようにうなずいた。
「100年も使えば、キノコも生えるよね」
「…………」
ジョンはもう一度写真を見る。
「エノキダケ……」
「ん?」
「そうか。菌類なら光がなくても栽培できるな」
「え?」
ジョンは何かを思いついたように、別のデータベースを開いた。
「5号でもいけるかもしれない」
ジョンはそうつぶやくとまた画面に没頭し始めた。
→このエピソードは「まだ10,000個はいらない」に続きます。
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