男子寮物語 第10話「エノキダケ」

1か月ぶりに5号から帰ってきたジョンを待っていたのは、すっかり様変わりした2号だった。

コクピットも居住区も新しくなっている。

本当ならブレインズか兄弟たちからレクチャーを受けたいところだが、あいにく全員が任務で忙しく動き回っていた。

仕方なくジョンは一人でデータベースを開き、今回の改修内容を調べ始めた。

「……なるほど。これはいいな」

プレインズが作成したマニュアルを読みながら、関連する過去の航空機の近代化改修についても検索していく。

やがて、一枚の写真に目が止まった。

B-52爆撃機のコクピット近代化改修の比較写真だった。

写真を元にAIが書いたイラストです。細部は実物と異なる場合があります

中央で目を引く、8基あるエンジンに対応したアナログ計器はそのままだが、左右にディスプレイが追加されている。中央下にはスロットルレバーが8基分、変わらずに残っている。

そこへゴードンがやってきた。

「兄さん。2号すごく使いやすくなったよね」

「ああ。ブレインズ、今回もいい仕事してるよ」

「……あれ?」

ゴードンが画面をのぞき込む。

「その写真、コクピットにエノキダケ生えてるの?」

「いや、これはB-52だ。初飛行からもう100年以上になる。改修を繰り返しながら長期間使われている機体だ」

「なるほど」

ゴードンは感心したようにうなずいた。

「100年も使えば、キノコも生えるよね」

「…………」

ジョンはもう一度写真を見る。

「エノキダケ……」

「ん?」

「そうか。菌類なら光がなくても栽培できるな」

「え?」

ジョンは何かを思いついたように、別のデータベースを開いた。

「5号でもいけるかもしれない」

ジョンはそうつぶやくとまた画面に没頭し始めた。

→このエピソードは「まだ10,000個はいらない」に続きます。

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