5号にトレーニングルームを追加

5号を近代化改修しようと設定資料を読み込んでみたら、考えていたような基本的な居住環境は、最初から組み込まれていた。それも最低限ではなくゆとりさえ感じられるようなものだった。

もうBeyond IRでやることはないじゃないかと一瞬思ったが、せっかく余裕のある構造の船内なので、2点ほど改修アイデアを出していく。その一つがトレーニングルームだ。

無重量状態で生活するということ

無重量状態と書いたが、無重量状態と無重力状態はよく混同されている。

軌道上を周回する宇宙船内は、遠心力と重力が釣り合って見かけ上重さがゼロとなり、ものが浮いている。これを無重量状態という。重力は消えることなく働いているが打ち消し合っているだけだ。

ここでは「無重量状態」という語で統一しておく。

ISSや天宮などの現実の宇宙ステーション内は無重量状態である。この環境にヒトが長期間滞在すると、筋肉や骨に負荷がかからないので特に下半身が急激に衰えていく。人によっては半年間で何年分もの老化に相当する骨量を失うという。

画像はJAXA,NASAのサイトより

それを防ぐために、宇宙飛行士は1日2時間の運動を義務付けられており、ISSではトレッドミル、エルゴメーター(エアロバイク)、NASAが開発したAREDという0Gワークアウト専用マシンなどを使っている。

無重量なのでウエイトを使ったマシンでないことはもちろん、振動が船体に伝わらない工夫もされている。

5号にトレーニングルームを

5号の公式設定資料には、トレーニングルームに相当する記述は見当たらない。
ひょっとすると設定資料に載っていないだけで、実はありますということも考えられるが、それならそれで改修型として考えていく。

5号では、ブレインズが開発した人工重力装置によって、無重量状態ほど骨や筋肉を失う心配は減っているが、それでも1か月のシフトで運動を全くしないわけにはいかない。一人勤務なので、ストレス解消の意味でも運動は必要だ。

それ以前に、体を使って救助に携わる人間はみな、日ごろからのトレーニングを絶対に怠らない。それが直接生死にかかわるからだ。被救助者のためだけでなく、自分のためでもある。

ということで、5号にふさわしいトレーニングルームを考えてみた。

2台の総合トレーニングマシンとフィットネスバイク、手前にはストレッチ用のマット。

5号の船内は基本的に1Gだが、この施設はゼロGでも使えるようになっている。
メンテナンスやトラブルで、人工重力が発生しない状態も想定している。

総合トレーニングマシンは、おもりではなく、基本的にロボットアームで負荷をかける。
0Gではハーネスで体を椅子に固定する。

フィットネスバイクも0Gでも使えるリカンベントタイプ。同じく0Gではハーネスで体を固定。

さすがに床での自重ストレッチは、0Gではあきらめてもらうしかないが、ロボットアームに補助してもらうことで可能な運動もある。

ここには写っていないが、トレッドミルでのランニングは、1Gでは地上と同じマシンが使える。
無重量状態では、別のマシンを用意している。

ゼロG用トレッドミル

ずっと無重量状態の船内なら、床も天井も利用できるが、5号は基本的に1G環境なので地上と同じく床を中心として生活している。だが、0Gでは空いている天井を有効利用するために、こうなった。

ISSに比べると広さや重量で比較的余裕のある5号では、ISSで使われているゴムバンド付ハーネスではなく、ロボットアームが体をトレッドミルに押し付ける。

そしてトレッドミルだけのためにロボットアームを使うのはもったいないので、壁面レールを移動して他の軽負荷用途にも使えるシステムとした。

動的負荷区画

ISSのトレーニングマシンは船体に振動を伝えないように設置されている。5号もそれにならって、各マシンの防振構造に加えてトレーニングルーム全体を独立フレームの防振マウントで支え、船体とは別構造とする。

そして人工重力もこの部屋は独立コントロールできるものとする。

もうひとつの防振区画は、新設したシミュレータールーム。アランに言わせると「ゲームルーム」だが、これについては別の記事で詳しく書く。

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